「使命」

私は、すべてのお客様の満足度を第一に考えていません。それは、私の業務に一因があります。土地家屋調査士は「不動産に係る国民の権利の明確化に寄与する」ことが使命としてあります。

これは、お隣同士の土地の境界（筆界）を明確化、即ち境界を確定することによってそれぞれの境界に対する思いがすれ違い損得が生じます。「神のみぞ知る」土地の境界確定という命題を全うすることが最高品質の商品とサービスの提供であると信じて疑いませんが、これらを「使命」とすることによってすべてのお客様の満足度が得られないことなります。しかし乍らこの業務こそが、市民の幸せの礎となります。

「出逢い」

境界とは、連続する広さを持つ自然状態の広がりを人為的に区画した境、区域、土地の区切り、地域、範囲（広辞苑より）で土地を特定させます。これは人の繋がりに似ています。人生は出逢った人で決まります。また出逢いの選択で決まります。人間を動かし、人間を変えていくのは難しい理論ではなく、その人の生き方に感動を覚えるからこそ繋がりが広がるのです。

　私どもの社員は袖すりあった縁をも大切にする気概を持った「一灯照隅」です。

「感動」

土地は他の財産と違い周囲との関連、関係性が切り離せません。これは人と人の繋がりに似ています。所有していても自分勝手な利用は許されず公共の福祉に合致して利用をすることは土地の宿命でもあります。所有権を登記することで、他人が様々な権利を主張してきたときに対抗できる仕組みです。土地は地球上、海を隔てて際限なく広がっていて永遠に続きます。人の繋がりもまた人から人へと繋がることによって永遠のものとなります。しかし繋がる為には感動が必要です。感動のない事象に人は動かない。人間を動かし、人間を変えていくのは難しい理論や理屈ではない。感動が人を動かし、出逢いが人間を変えていくのです。

安島 克俊